2009年01月20日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 4773 count

数値地図への最初の一歩・カシミール3Dで図示する下高井戸周辺標高データ

Written By: 川俣 晶連絡先

 以下は、カシミール3D+日本高密メッシュ標高セット(10メートルメッシュ標高データ)+ウォッちずの構成で作成した下高井戸周辺の標高地図です。

下高井戸周辺の標高データ

 青が低く、緑が高い地域を示します。西は八幡山駅のあたりまで。東は笹塚駅あたりまで。北は大宮八幡が少し切れるぐらいまで。南は宮の坂駅の僅かに手前ぐらいまでとなります。

雑感 §

 こうして見ると、甲州街道のある稜線に対して、南側はいくつもの谷が入り込んでいるのに対して、北側はそうでもないことが分かります。とはいえ、常に稜線の南側には谷があるわけではなく、神田川北岸にはそれほど谷は見られません。これはもっと神田川を中心に着目すると、神田川の周辺に展開される低地が狭く、くっきりとした谷を構成しているとも言えます。つまり、神田川周辺には農業に適した低地(神田川の水を入れやすい)が狭いことを意味します。(これは新編武蔵風土記稿の下高井戸宿の項目に書かれた水田は少なく陸稲が多いという記述に対応します)

 それはさておき、その他に目に付くのは世田谷線と井の頭線の経路が明瞭な低地としてくっきり見えている点です。これらは、水路のある低地に建設されたらしいので、それが現れた形と思われます。ただし、井の頭線が神田川方面まで貫通しているのは本来の河川の低地ではなく、井の頭線建設時に掘り割りを作った結果だろうと思います。

 この他、実際に足で歩いたことがある上北沢駅南東部から始まる水路跡の部分がくっきりと低地として現れている等、足で歩いた結果が色として明瞭に出ている点に感慨を感じました。

技術的な話 §

 やっとカシミール3Dの使い方が飲み込めてきました。本来は山岳用のソフトなので、平地の高低差を扱う要領を飲み込むのに時間が掛かってしまいました。

 結局分かったことは、微妙な高低差をくっきりと示すためには「パレットを自分で作る」必要があるということ。この例では、30メートルから50メートルの間で最大限の色の違いが出るようにパレットをカスタムに自作しています。

 逆に3D表示などは今ひとつ微妙な高低差が把握しにくい感じです。

 当初は、5メートルメッシュのデータを買わないとダメかと思いましたが、いろいろいじっているいちに10メートルメッシュでもかなり行けそうだという感触が得られたので、値段差も大きいし、当面は10メートルメッシュで行ってみようかと思います。

下高井戸周辺史雑記